北海道・カムイエクウチカウシ(カムエク)山&ペテガリ岳

2016年7月19日〜28日(木) 参加者:カムエク:女3、男2、ペテガリ:女1、男2名

  • 道内で一番きつい山行だった;カムエク:テント2泊3日山行、ペテガリ:山荘2泊3日山行。
  • 天候にめぐまれ徒渉や悪路も順調だったが小雨でも泥道の急登と増水の恐れ。
  • カムエクは沢登りの経験と体力(ザックが重い)、気力の総合力必要。

カムエク山;(7月21日~23日)
行程;
1日目:中札内旅館(カンタベリ)6:40=ビジターセンター7:04=中札内ヒュッテ7:16〜7:50―七の沢出合10:00―八の沢テント場12:15
2日目:テント場4:00―三股出合6:05―八の沢カール8:35―山頂10:40〜11:00―八の沢カール12:24―三股出合14:15―八の沢テント場17:10
3日目:八の沢テント場6:00―七の沢出合8:20―ヒュッテゲート着10:40

1日目:
 中札内村の別荘地内にあるカンタベリーは2食付で安くておいしい宿、早朝に食事を済ませ、札内川に沿って車を走らせてまずビジターセンターに寄り情報を得ようとしたが管理人一人のみで特に無し。さらに進むとトンネル前のゲート左に小さな札内ヒュッテがあり右側の駐車場に車を置き登山届提出、3日分の食料&鍋・バーナー、テント等重いザックを担ぎゲートからまず短いトンネルを歩き次に長くて真っ暗闇のトンネルを通過して行く、6か所程のトンネルを過ぎると舗装がなくなりゲート跡、以前はここまで車で来られた。だらだらと長い林道を歩くと左へカーブした立派な七の沢出合橋に到着。ここから河原に出て沢靴に履き替え右へ徒渉開始、3か所程徒渉して川沿いの茂み道を進む。数少ないテープを頼りに背丈位の長い笹薮をかき分け最後に3か所程左へ徒渉すると岩だらけの八の沢テント場に着く。雑誌等の案内と違い岩が多く平地が少ない、地形の変化が激しいのか。設営と翌日のアタックザックの準備後、明日の天気と健闘を祈りビールで乾杯する。

2日目:
 朝霧の中、岩だらけの河原をテープやケルンを目印に上流を目指す。沢歩きとは言い難い程、河原歩き&徒渉と繁みや巻道を進むと中央、左右と3か所の流れ落ちる三股出合に来る。ここから急峻な岩やガレ場、ステップの無い土道を木や笹に掴まり高度を上げると水流が減った脇道になり八の沢カールへと出る。福岡大学遭難碑そばで登山靴に履き替え沢靴を岩の上に天干しを兼ねデポする。快晴でまぶしい草原道を少ない雪渓を横切り、ジグザグ道を登るとコルに出る。一休みしてハイマツの中の道を我慢して登ると山頂である。
快晴に恵まれ360°の展望、日高連峰の盟主、幌尻岳、次に登るペテガリ岳、神威岳が近くに見える。早々に下山開始、カールの雪解け水でのどを潤し水筒に詰め、デポした沢靴に履き替え足場の悪い急坂を急ぐ。三股出合から巻道やゴロ岩の河原が始まるが登りと違いルートが良くわからない。登りと下山では景色が違う、テープ等のマークが必要だった。支流がいくつも合流しややこしい。やっとテント場に着いたのは5時過ぎだった。ワインとウイスキーで完登の喜びに浸った。テントの外は満月と星空、沢音も気にせず皆爆睡。

3日目:
 夕食の余り物で簡素な朝食を済まし夜露に濡れたテントを撤収し、徒渉開始、往路と違い冷静にルートを探し林の中や笹薮道を歩いたため徒渉回数も少なく出来た。七の沢出合で最後の徒渉を終わり登山靴に履き替え冗長な林道を下る、疲れでザックが肩に痛い。道路脇にタラの木が茂りわき芽を頂戴する、今夜飛行機で帰宅する女性のお土産だ。立派な舗装道路やトンネルを通りながらもったいない投資をしたものだと痛感する。トンネルの出口にゲートが見えた時、安堵感とともにこれで終りかと寂しさがこみ上げてきた。

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ペテガリ岳:(7月24日~26日)
行程;
1日目:浦河町野深の「柏陽館」8:30=神威山荘9:40=山荘下駐車場出発9:50―680mの峠11:30―ペテガリ山荘13:42
2日目:山荘出発4:00―ピーク1050m5:35―ピーク1295m6:50―鞍部7:03―ピーク1300m8:05―頂上10:25-ピーク1300m11:30―山荘着15:10
3日目:ペテガリ山荘5:40―680m峠7:50―神威山荘下の駐車場9:10

1日目:
 柏陽館は廃校を利用した公共宿泊施設で研修用施設が整っており格安である。途中のスーパーで購入持込の朝食を済ませて宿泊所前の道道348号を元浦河登山口へ向かう。数か所土砂崩れや陥没箇所があり、晴天でさえこの状態なので少雨でも林道管理局へ確認しておく必要あり。神威山荘前に数台の駐車場があったが我々は少し引っ返して山荘下の空き地に駐車し登山支度。下ると直ぐニシュオマイ川の徒渉になる。水量はすくないので登山靴のまま渡る。左の丘にタラの木が茂った広場に出てここから沢登り(とはいえ小川程度)が始まり石や繁みを滑らないように登って行く。足場のない急登の笹道を登り詰めると、680mの峠に出る。この先が泥土とコケや濡れた岩の急坂になり数か所頼りなさそうな細いロープが下がっている。やっと降りて進むと視界が開け長い林道が続く。2時間程歩き飽きてきたころ林の中の広場にペテガリ山荘が現れた。ストーブ蒔き完備、冷水流しっぱなしの流し台、トイレ2室、2階建ての贅沢な山小屋。しかし我々は1・2階とも豪快なイビキに悩まされる、逃げ場所無し、気分を害した一夜だった。

2日目:
 早朝に新潟から来た3人パーテイと前後して出発。ジグザグの林道は良く整備され気持ち良く登れる。尾根筋に出て1050mのピーク、1259mPのアップダウンから1295mのPへ来るとはるか彼方にペテガリの山頂(実は奥に)が見える。下界は曇りなのか一面の雲海で山々はまるで島々のようである。さらにアップダウンを繰り返し1300mのなだらかな頂上で休み、急登の先にある山頂へ向かう。山頂では新潟パーテイに写真を撮ってもらう。我々メンバーの女性はこれで北海道の200・300名山完遂と感動のひと時。快晴の中、すぐ手前に先日登ったカムエク山と直ぐ横にピラミッドが見える。明日から天候悪化の模様、これで今回の北海道山行は終了にしようと、名残り惜しく下山した。晴天の下、睡眠不足と疲れ&暑さで何回も休息し山荘に着く。昨夜の1階の人達がいなく、熟睡。

3日目:
 誰もいなくなった山荘に向かいお礼を言って帰路に着く。時々熊よけの笛を吹き長い林道、笹薮と泥だらけのロープ、急な沢道下りの最後にニシュオマイ川の徒渉を終え泥靴を洗う。すぐ坂上に車が待っている、これですべて順調に終わった。疲れたけれど思い出に残る山行だった。

 Script by I. and Photo by I. & K.

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