笛吹川東沢釜ノ沢東俣遡行

6月24〜25日(日) 参加者:6名

  • 今年最初の沢登は奥秩父の東沢釜ノ沢。
  • 登攀的な悪場のない沢とはいえ、それなりの緊張感で登りつめた。
 浦和地区を車で朝の5時に出発すると、西沢渓谷入り口の駐車場には8時に到着する。ここから歩き出して30分弱で高度感のある吊り橋を渡るが、この橋の下で西沢と東沢が合流している。私達は西沢渓谷ハイキングルートを正面に見送り、右折して東沢に入った。右岸の巻き道から一旦川原に下り丸木橋を渡り左岸に出て鶏冠尾根への道を右に見送ってから、再び巻き道に入った。この巻き道は所どころが難路になっていたが、危険ではなく素直に進めば迷うところは無い。左手下方には大きな釜や滝、更には淵がコバルトブルーの水を従えながら激しく流れていた。この水の美しさは「銅が溶け込んでいる」と言われている所以であろう。巻き道の終点が東沢の遡行開始点であり、流れは穏やかになっていた。
 沢靴に履き替えて小さな滝やナメ滝を越えて、足も水に慣れてきた頃、途轍もない大滝が現われた。釜ノ沢の西俣と東俣を分ける「両門の滝」である。左右からY字状に落ちる、ほぼ垂直に見える滝の落差は30m、双方の滝の甲乙は着け難く、鬼の様な形相であった。甲武信岳へ続く東俣は原則的には沢の合流点は右俣を進むので、私達も右滝の左岸(滝に向かって右側)の潅木帯を強引に攀じ登った。両門の滝のすぐ上で右から「迷い沢」が合流するが表示が有るのでここは左方向に進んだ。
 後半は傾斜が増してきてザイルを使う場面も有ったが、小屋のポンプアップ場(水場小屋)が現われたところで全員が一安心。歩き出しからほぼ11時間の行程も終了が近づいていた。小屋に着いて、すぐに夕食。この時私達は、あの歌を思い出した。「煙い小屋でも黄金の御殿・・・」何もしないで後はただ寝るだけの小屋泊まりは、テント泊とは、また違った楽しさでもある。8時消灯、運よく個室に入れたので後はただ寝るだけ。甲武信小屋は奥秩父の山小屋らしい、今にも倒れそうな、それでいて心強い山小屋である。
 二日目の朝は小屋の屋根を叩く雨の音に目を覚ます。6時30分に下山開始。その頃は小降りになり木賊山に登った時は止んでいた。戸渡尾根から徳ちゃん新道を下って駐車場に着いたのは10時30分であった。  最近の情報では東沢遡行は、途中でテント泊が主流だと言われているが、今回の山行は小パーティの特徴を生かして一気に登り切った事は、偏にリーダーの統率力、そして全員一丸となって行動した結果であり、参加した皆様に感謝する次第である。本当に有難うございました。 

  Script by O. and Photo by K. and C.  

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