2017年10月28〜29日(日) 参加者:7名 費用:10500円
- 昨年雨で中止した宿題の「裸山」へ。なるほど裸な山だった。
- スラブはフリクションのよく効く岩質で、およそどこでも登れる感じ。
- スラブまでの沢と下降の桑原沢は沢装備の方が安心だ。
- 予定していた御前ヶ遊窟探訪は降雨の為中止し、一日かけてのんびり帰熊した。
行程
熊谷駅南口7:10=小出IC=六十里越手前登山口10:37-スラブ帯11:30ー裸山12:40-下降開始13:28ー登山口15:09=裏五頭山荘(泊) 9:00=栃尾=石打塩沢IC=熊谷駅南口
28日
六十里越の国道端にクルマを駐めて準備をする。この道からは裸山の一部が見渡せ、結構な傾斜のスラブが広がっている景色を見て、多少ビビリ感を覚える。山岳雑誌のガイドには「緩やかなスラブ」とあるが、そんなふうにはとても見えない。
国道から林道に入るとわずかで大きな堰堤に出る。道はここまでのようだ。魚道の側壁上を歩いて堰堤を越えるのだが、何回か幅1メートルほどの魚道を飛び越えなければならず、ちょっと怖い。立派な魚道なのだが、すでに堰堤上が堆積物に埋まっているせいなのか水がない。やがて魚道を離れて沢側壁の急登になり、堰堤上に出る。ここからはすぐ脇の沢を登って行くが、結構岩がヌメっており滑る。以前のガイドでは「巻く」という記載もあるが、巻くにはヤブコギが大変そうなので、忠実に沢を詰める。もう少しでスラブというところで、不明瞭な二俣になる。インゼルかと思い登りやすそうな右俣に入るが、方向が違う。で、インゼルと勘違いしたところをヤブこぎして左俣に戻って、少し登ると視界が開けた。
下から見ると草紅葉のブッシュが目立つが、壮麗なスラブ帯だ。岩はザラザラの目の粗いヤスリのような肌で、フリクションがよく効く。下から見てビビった斜面をヒタヒタと靴底を密着させながらグイグイ登る。ある程度登って振り返れば、快適な高度感と周囲の山々の紅葉に思わず感激する。先行パーティーが左壁側に寄って登っていたが、どうやらザイルを出している。なので、我々は中央やや右寄りにルートをとり、フリーで登り続ける。途中スラブの斜面に齧りつくようにして休憩する。
落ち着かない休憩の後、傾斜のゆるいところを選びながら高度を上げていく。もうすぐスラブ登攀終了というところで、中央の緩やかなカンテ状にルートを取ると、わずかで傾斜が落ち、頂上に続く稜線に出た。ここからは結構なヤブコギ。標高が低いところの灌木は元気がいい。先行パーティに続いて、頂上についた。ガイドでは切り開きがあるとあったが、今や完全にヤブの中。写真を撮ってそそくさと下山にかかる。少し降りると崩壊地のような開けた斜面があったので、ここで昼食にした。浅草岳や毛猛山方面が見えるが頂上付近の紅葉はほぼ終了。中腹から山裾の紅葉が実に綺麗だ。
稜線をたどり、激しいヤブをひとしきり漕いでから、右側の桑原沢に下降する。簡単に下れるものと思っていたのだが、ヌメった6〜7メートルの滝があり、ここでザイルを出した。懸垂下降するにも支点がないので、大半のメンバーは一人ずつ確保されてクライムダウンした。他にも下降を戸惑うような淵や小規模な廊下があり、この沢下りはなかなか難物であった。傾斜が緩くなると先ほどの堰堤に出て、やはり怖い魚道を渡り林道に上がってようやく緊張感から開放された。
クルマに戻り、係贔屓の宿「裏五頭山荘」に向かう。いつものごとく食べきれないほどの心のこもった料理で、参加者の皆さんには満足していただけたものと思う。
今回のルートは、スラブはガイド記事通りの、軟底の靴ならスニーカーでもいいが、前後の沢は沢装備が必要だろう。もっと楽な沢下りルートがあるのかもしれないが、稜線のヤブコギは結構きついので、早めに沢に降りたくなってしまう。沢装備+ハイパーVが正解ではないだろうか。
29日
天気予報は前夜から雨。起床するとまさにそのとおりで、本日の登山は中止。山荘の素敵な朝食を頂いて、みんな朝風呂に入ってからのんびり帰路についた。途中の栃尾では農協の収穫祭に出くわし、野菜や棚田米を買い込んだり、魚沼平野にでてからは地酒や本場のコシヒカリ新米を買い込んで、みな満足気に熊谷に戻った。
Script by O. and Photo by K.(K.), Y.(Y.) and O.
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