北関東低山シリーズ 榛名山/幻の温泉探訪と黒髪尾根

2017年11月12日(日) 参加者:12名 費用:900円 マイカー

  • 榛名山に眠る江戸〜明治〜昭和の文化遺跡を訪ね、相馬山に登る。
  • 黒髪尾根の急峻な登路は、古い鎖とはしごの連続で登山者の実力が厳しく問われる。
  • 命がけで歩く「修験の道」を味わえるルートで、頂上にある「下山・立入禁止」の看板もむべなるかなであった。

 
行程
熊谷駅南口7:10=松之沢峠9:07ー磨墨峠9:25ー右京の泣き堀9:34ーデ・レーケの巨石堰堤10:41ーガラメキ温泉跡11:45〜12:25ー黒髪尾根表口12:46ー相馬山14:54〜15:16ー松之沢峠16:25=熊谷駅南口 実働5時間20分

 幻の温泉探訪という優し気な名前の山行に惹かれて参加しました。当日は、滅多に無い様な晴天。紅葉もさぞかしと心が躍ります。
 登山口は黒岩ゲレンデ入り口の予定でしたが、そこまでの道が舗装工事で全面通行止めのため急遽、松ノ沢峠からになりました。登山口が変わったので下山予定の登山道から歩きます。木道で作られた平坦なゆうすげの道を歩き終わって磨墨峠から藪に突入。GPSを駆使して右京の泣き掘を目指して沢伝いに降りていきます。右京の泣き堀という山の中には不似合の名前。松平右京大夫輝貞という大名。生類憐みの令を徳川綱吉に勧めた一人だったそうで、右京の泣き堀=馬鹿堀と今も語り継がれています。
 覗いてみると岩をくりぬいています。右京さんは、新田開発のため榛名湖の水をスルス岩をくり抜いてはるか、高崎迄,水路を引こうという壮大な計画だったのです。案内人が居ないと見つけられない様な堀でした。
 其のあと沢を渡り尾根を変えて登山道を少し登ると、右手にデ・レーケの巨石堰堤がありました。側に白板で詳しい説明書きがありました。それによると、デ・レーケさんはオランダ人で、明治初期に内務省の招聘を受けて砂防工事の指導の為来日し、全国の河川の砂防工事に尽力され、日本中にその蹟が今でも見られます。榛名山近辺でも、ここも含めて4基残っています。
 一談義してからガラメキ温泉に向かって変化のない平坦な道を歩きました。所々鮮やかに色付いた木々で気が紛れます。飽きたと思った頃に到着。温泉と騒いでいますが、周りの沢水が入って、ちょっと温かいだけ。暫く皆で眺めていると泥水だった温泉も澄んで来てO氏が代表で足だけ入浴。ここで昼食。昔は、湯治宿が三軒あったそうです。当時は、皮膚病に効くと言われ、かなり賑わっていたそうで、石積の土台に名残がみえます。
 其のあと来た道を最低鞍部(810M)まで戻りそこから、黒髪山表登山道に入ります。暗い林の中に石碑が一杯たっています。いかにも修験者の道の登り口らしい。でも良かったのはここまで。一本目の鎖は、短いけれど垂直でこれを登りきると7合目。この先は大きな輪の鎖と梯子の連続。最も嫌だったのは、鎖から鎖に移動する間の急斜面、摑まるものが無いし、足が埋まるほどの落ち葉で歩きにくい。皆、四つん這いに成り、次の鎖までたどり着く。
 そんな感じで、相馬山(1411M)山頂に到着。山頂から見える上越国境の山や、日光方面の山は真白。山頂には立派な神社。昔は、本当にこんな険しい道を登ったのだろうか?帰りは一般道を下山。途中スルス岩を登って下山した。
 今回のコースは優しい名前の響きとは違い怖いところも有ったが、満足感で一杯。中身の濃い忘れられない山行になった。

Script by Ok. and Photo by O. and On.(n.)

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