岩トレ 第3回 ー阿寺の岩場ー

2017年12月24日(日) 参加者:13名


 
 第3回目の岩トレーニングは、前回同様、阿寺の岩場で実施しました。寒くなったせいか、年末の忙しいせいか、風邪や急用になった参加者が続出、それでも13名の方に参加してもらいました。
 西武秩父線・東吾野駅で集合し、3台に分乗し、阿寺の岩場駐車場に向かいました。
 到着して驚きの一声。駐車場が満席に近い状態ではないか。なんとか入り込み、岩場に到着すると、はや20名くらいの人がルートに取りついているではないか。先週の下見とは大違いの状態に、結構慌てました。
 何とか初級者でも登攀可能ルートにザイルを垂らすことができ一安心。他の中級ルートも確保でき、何とか多人数に対応できる状態になり、やれやれの出足でした。 前回同様、参加者が各々、勝手にルートを登る体制にして、順番に登り始めました。
 今回の参加者の方は経験者も多く、岩登りの基本動作はできている人が多かったので安心してみていましたが、一部、ザイルの結び方や確保操作に、もたつき感があるかたも見受けられました。これは、自宅でしっかり練習してくればできることなので、ゲレンデで不安のある方はしっかり練習してきてください。それと、これは重要なことなので書いておきますが、登攀者と確保者でルートを登るわけですが、得てして確保者の方が自分の重要性を理解しておらず、手元の操作がおろそかになったり、登攀者の動きを見ていなかったり、他人と話しをしたりして、登攀者の信頼を得ていない人がいました。自分のザイル操作で登攀者がどのくらい登りやすかったり、面倒になったりするかといったことを考えていません。ザイルの加重状態を絶えず一定にするように心がけして、登攀者の動きをザイル伝いにわかるぐらいに神経を集中する必要があるのです。簡単な練習ルートでこれを身に着けておかないと、登攀者が見えないルートや難度の高いルートを信頼してザイルを任せることができなくなります。
 経験不足の方は、心得違いをして、ザイルが緩めば引っ張ればいいと操作に夢中なる傾向が見受けられますが、パートナーの登りやすさを絶えず考えて確保してやるのが基本です。登攀者から信頼される確保者になるよう練習してください。これは、普通の山行にも通じます。あの人と行くと安心だとかよく言われるリーダーやサブリーダーがいますが、これと同じです。極論をいえばザイル一本に命を預ける訳ですから、信頼できない確保者とは一緒に登ろうとはしないでしょう。今後は岩に登る練習だけではなく、信頼される確保者となるよう練習してください。沢や岩稜コースに参加してもらいたいのはこの様な参加者であります。自分が信頼されていない登山者と感じたら、信頼されるまで練習するか、沢や岩稜コースの山行には参加を控えてください。
 何回か岩トレに参加すれば、沢や特殊バリエーションルートに参加できると思っている方は、思い違いをしています。
 それやこれやで、今回は他の違うルートも参加者皆さんが挑戦し、明らかに登攀技術は向上していました。そして、全員がケガもなく無事終了でき、年内の山行に終止符を打てたことは、うれしいことでした。そして阿寺の岩場は登攀意欲を掻き立てられるルートを残して、来期を迎えることができ、本来の岩訓練(一般縦走に出てくる岩稜帯を停滞なく通過する技術を養う)の範囲を超えて、ちょっとのめり込みそうな予感がします。
 なにせゲレンデオーナーが80歳を超えているのにまだ意欲的な元クライマーということで昔は谷川岳で馴らしたとのこと。年相応の登り方をしょうなどと考えていた自分がちょっと恥ずかしくなるような魅力的なゲレンデづくりをいまだに続けていました。「来年は、ちょっとは減量した方がいいかなあ。昔の貯金だけでは、ちょっと難しいコースがあるしなあ」

 来年の干支に合わせて、「犬もあるけば棒にあたる」にちなみ、「O氏があるけば岩場にあたる。」 よい岩場を探してくれました。感謝感激。 

Script by K. and Photo by On., Ow. and Y.

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