西上州・野栗沢悪谷遡行

2018年4月13日(金) 参加者:4名

  • 今年第二弾の沢登りは西上州、その名も「悪谷」
  • 大岩のゴーロと悪相のゴルジュが続き、巻くことも難しい滝に遭遇。
  • アドレナリン出まくりの遡行でした。たまには緊張しないとね・・・!
行程
熊谷南口駅集合7:15=赤岩橋9:57―悪谷出合10:02ー(悪谷遡行)―大ナゲシ西鞍部14:58〜15:23ー赤岩峠16:05〜07―赤岩橋17:50=熊谷駅南口20:10

 熊谷駅より車にて出発。一般道を群馬県上野村へ。高速道路に乗らないので今回の交通費は「500円」と超お手頃。途中予定していた道が通れず、少々到着時刻が遅くなってしまった。
 駐車スペースを出発して林道を行くと、すぐに枝沢。何気なく通りすぎようとして、「あれっ!もしかして今の沢」と現在地確認して地図と照合すればこの沢が目的の悪谷。あまりのアプローチの近さ(正味徒歩2分)に思わず「ラッキー!」
 沢に降りれば小滝と傾斜のきつい大岩のゴーロ地帯が続く。落差の割に釜が深い滝ばかりで、夏ならどっぷり浸かってからのシャワークライムでもいいが、今日はもっぱら巻きで越えていく。大高巻きになる感じはないが、やがて荒れたゴルジュになり威圧感を覚える。それでも側壁には早々とアカヤシオの花が咲き誇り、「春よねぇ〜」と幸せな気分。
 いくつかの小滝を時にロープの助けを借りながら越えて行くと、唯一の癒やし系と言われる8メートルナメ滝。でもゴルジュのまっただ中で、河床は真っ黒な岩。あまり癒やされない感じ。そしてそのすぐ先に、この沢一番のスペクタクル、チョックストーンの10メートル滝が出現。狭いゴルジュの天井にまるで空から降ってきたかのように大岩が挟まっている。
 奥にある滝は登れることがわかっているが、手前の釜が深い。試しに急斜面の左岸側をヘツってみたらやっぱり滑って腰上まで水没。巻きも試してみるが、右岸は全く無理で、左岸側も落ちれば数十メートルの落下となるスラブ。ビレイポイントもない。逡巡していると、女性陣が一段下から倒木を持ち上げてきた。その長い倒木を釜に進めて、先端を滝の取り付きにぶつけたらうまい具合に固定された。その倒木を綱渡りして滝に取り付けば、細い水流の中の手頃なホールド、スタンスを拾いながら、あまり怖い思いもせずに登ることができた。岩もあまりヌメってなくて助かった。
 さてその後も小滝とゴーロで順調に高度を上げていく。やがて水が涸れると前方に大ナゲシらしき峻峰が見えてくる。そして最後のツメは崩れやすいガレの急斜面。大ナゲシの西稜鞍部にようやくの思いで登りつめた。ここで沢装備を解除。あとは一般道を駐車地点に戻るだけと思っていたが、道の状態が悪く、思いの外時間がかかった。
 赤岩橋への下山道は、地形図表記とは全く異なり、赤岩沢の東隣の沢を降りていく。地形図の登山道が降りていく赤岩沢はすさまじいゴルジュの急峻な沢で、ちらっと見ただけで全く下降などできない感じ。帰宅して調べると、厳冬期に滝が凍ると登攀対象になる沢らしい。グリーンシーズンにはネット上に記録も見当たらない。
 ウン十年ぶりの西上州の沢だったが、今回の沢はその名の通り、何となく顔つきの悪い、まさに「悪谷」だった。

Script by o. and Photo by T. and o.(o.)

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