2019年8月2〜5日(月) 参加者2名
1日目(8/2)
- 故障のリハビリを兼ねて北アルプス最奥の温泉に湯治に行った。
- 高天原への近道「大東新道」は疲れる道だった。
- 連日午後になると天気は不安定。三日目は行動中に雷雨になった。
- 既に高山植物も盛りを過ぎており、また夜になると雨が降って星空はあまり望めず、残念であった。
折立登山口8:49-アラレちゃん9:44〜51ー三角点10:22ー太郎平小屋13:10(泊)実働3時間17分
折立の正規駐車場は満車で、少し離れた臨時駐車場にクルマを停めたが、こちらはまだ余裕があった(下山後の月曜日は駐車禁止の路肩にもクルマがあったので、やはり週末は相当混雑するようだ)。
登山口から「アラレちゃん」までは林間なのでそこそこ元気に登ったが、その後三角点を過ぎると日差しを遮る物のない、炎天下の登山道になる。いやはやこの道は早朝に登るに限ります。仕方がないので傘を差したり、編笠かぶったりして自分で日陰を作りながらなんとか登りつめた。
太郎平小屋に着けば、小屋前の広場は人がいっぱい。天気もいいので、それぞれにビール飲んだり弁当食べたりで、我々ものんびりくつろいだ。今日の山小屋は布団2枚に3人というそこそこの混み具合。この週末から来週末にかけて、山は混雑のピークらしく、既に雲ノ平山荘は「日曜」の宿泊さえ予約を断っている(電話予約しようとすると「日程の変更をオススメします」と言われたという)とのこと。
日没時は綺麗な太陽が沈むのが見られ、夜の星を期待したのだが、消灯前から曇り空となり、深夜には音を立てて激しく雨が降っていた。
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2日目(8/3)
太郎平5:49ー薬師沢小屋7:50〜8:12ーB沢出合9:45〜55ー高天原峠12:30〜51ー高天原山荘13:38〜14:00ー高天原温泉14:20〜15:00ー高天原山荘15:27(泊)実働6時間36分
昨夜の雨に濡れた滑りやすい木道を薬師沢に下る。朝モヤのかかる黒部谷に日が差して山が一気に目覚めていく。今日も朝から暑くなりそうだ。
だがとりあえず、大東新道は最初は黒部川本流に沿った山道としばしば川原歩きになる。樹林の中の登山道は比較的涼しく、川原は日差しがキツイが川面を渡る風が涼しく、またルートもペンキマークが要所要所にあり順調に歩いていけた。もちろん大石ゴロゴロの道は歩きづらいのだが、暑さから開放される方がありがたい。
やがてA沢を過ぎると黒部川の岸辺が岩壁となり鎖を頼りに滑りやすい岩場を越えていく。昨夜の雨のせいか、ささ濁りの川は流速も早く、落ちたら黒部湖に浮かぶことになるのだろう。しかも一箇所支点のハーケン!が抜けて鎖にぶら下がっていたりして、ドキリとさせられた。
やがてB沢出合に着く。さぁここから急峻な道を高天原峠まで、背中に太陽を背負いながら登らねばならない。あまり踏み固められていないような道を、少しずつ登っていく。E沢まで流れを横切るたびに一息入れながら、何とか峠まで登りつめた。ヤレヤレとばかりに休憩していると、温泉帰りの若いカップルが峠に登ってきた。聞けば親不知から歩き始めて、既に10日ほど。これから4週間かけて太平洋まで歩くという。「ゆとり世代」「働き方改革」の恩恵を存分に享受して、私達のようなただの働き蜂ではない人生を歩き始めているようだ。将来は子どもたちをはじめとした野外活動を支援するような仕事に就きたいと志も高い。久しぶりに風呂に入れました、でももう汗かいてしまいました、と笑顔で雲ノ平キャンプ場に戻っていった。
ココからは小一時間、快適な登山道を高天原山荘まで。美しい湿原を越えて行くと樹林の間に赤い屋根が見えた。山荘に手続きして早速温泉に向かう。2日歩いて湯治に行くなんて、明治時代か?という感じ。温泉は何の目隠しもない河原の完全な野天風呂と少し囲われた男性用、完全に囲われた女性用が用意され、白濁した源泉掛け流しの湯が溢れていた。少し熱めだが気分よく湯に浸かり、リハビリ中の足首をマッサージ。さて効果の程は・・・?
夕刻少し雨が降ったが、すぐに上がり夜は満天の星空。だが、水晶岳の形が悪く、絵にしづらい。深夜に近くの展望台から薬師岳上空の夏の天の川を狙ったが、これも今ひとつ。やはり林間の小屋で星空を眺めるのは難しい?!
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3日目(8/4)
高天原山荘5:50ー高天原峠6:43〜46ー雲ノ平山荘8:50〜9:30ー薬師沢小屋12:10〜37ー太郎平小屋15:11(泊)実働7時間1分
事前の情報では、今日は薬師沢の小屋が空いているらしいが、やはり夜空を楽しむには稜線の小屋ということで、雲ノ平山荘に寄って状況を確かめて、あまり混雑していなければそこに泊まり、混んでいるなら太郎平小屋まで、あわよくば折立まで下ってしまおうかと、少々勇んで出発した。
高天原峠まで既に汗だくになって登り、ここから雲ノ平までは約2時間。途中、水晶岳や薬師岳の展望がひらけるが、雲ノ平からココを降りて温泉まで行こうと思っても、我々だったらきっと途中で断念するだろうと確信するような登山道だ。みんな偉いわ。
やがて奥スイス庭園に出れば、雲ノ平山荘までは一投足。そして小屋に到着してみれば、今日は山荘の荷揚げ日で、ヘリの往来が激しく、山荘周囲では休めない。中に入れてもらい混雑を確かめるとやはり今日は布団1枚に2人を覚悟してくれとの由。以前来た時もそんな状況で結構懲りたので、太郎平に向かうことにした。
雲ノ平の溶岩台地を抜けて薬師沢小屋へと下る。かなりの数の人とすれ違い、今日は日曜日なのに本当に混雑しそうだと思えた。いつものことだが、滑りやすい濡れた岩の上を慎重に下山していく。黒部川の沢音が近づいてくると山小屋が見えた。ここの水は冷たくて本当に美味しい。じっくり休んで英気を養い、これなら折立に下れそうだと出発したのだが、私は疲労からかリハビリ中の足首に痛みがあり、ちょっと迷っていた。
順調に太郎平に迫っていたのだが、奥の二俣から登りになって、森林限界を越える辺りで雷雨に捕まった。結構な強雨で頻繁に雷鳴が轟くので、周囲に灌木がなくなる小屋へのトラバース道の手前で、しばし待機した。やがて少し明るくなり、雷鳴も遠ざかったように思えたことと、周囲に落雷によって黒焦げになったような木が一本もないことから、急いで小屋へと半ば走った。もうこれでは折立までなどということは考えられない。太郎平小屋に泊まることにして、小屋に着いてみれば、中は宿泊の登山者と、突然の豪雨でテントサイトに戻れなくなった幕営登山者でごった返しており、びしょ濡れの床なのに、もうスリッパが品切れ。裸足で居室に案内してもらった。いやいやなかなかの雷雨でした。
夜は消灯頃には雨も上ったものの、雲が切れなかったが、日付の変わる頃外に出てみると、頭上には星空が広がっていた。
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4日目(8/5)
太郎平小屋6:53ーアラレちゃん9:17〜22ー折立10:04実働2時間52分
さぁ今日は下るだけ、と朝食後ゆっくりコーヒーを沸かしてのんびりしてから、ほとんどひと気のなくなった小屋を出発した。今日も昨夕の豪雨が嘘みたいないい天気だ。結局4日間とも暑さとの闘いとも言うべき山行になってしまった。
途中五光岩の休憩場所でバナナの皮やジュースの空パック、お菓子の空き袋などが入ったポリ袋を発見してしまったので、やむを得ず回収した。ついでにということで、以降は登山道のゴミを拾いながら下山したのだが、その後の大物はペットボトル1本だけ、他は小さなビニールやポリの破片くらいで、ココの登山者はマナーが素晴らしいと感激した。先行者が片付けた可能性もあるけどね。(^_-)-☆
折立に下山してしばし休息の後、クルマを回収して帰宅の途についた。
Script and Photo by Or.
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