飯能百名山/蕨山のアカヤシオ

2022年04月09日(土) 参加者:7名 


行程
 さわらびの湯(9時30分出発)→金毘羅山(10時30分)→小ヨケの頭(10時55分)→大ヨケの頭(11時12分~11時25分)→藤棚山(11時55分)→蕨山(12時25分~12時55分)→藤棚山無名尾根分岐点(13時25分)→大遠見山(13時53分)→西平山(14時20分~14時30分)→小殿バス停(15時25分着)

 前回の山行から中3日では回復しない軟弱な体力に、不安を感じながらの参加は場合によっては途中脱落も考えられ、同行の方々に迷惑を掛ける事になるので気を引き締めての出発となった。それでも天気は快晴で気温も高く、新緑の息吹は目にも優しく清々しく、抱えていた不安が一気に吹き飛んだことは嬉しかった。
 さわらびの湯の駐車場は登山者の車でほぼ埋まり、到着するバスも満員で席に着けない乗客もかなり目立った。これら多くの登山者のほぼ95%位が棒の峰方面を目指していた様で、私達の行く金毘羅尾根に入山する者が皆無だった事は幸いであった。
 金毘羅尾根は出発点から急坂の連続である。さわらびの湯の標高は240m程であり、金毘羅山(660m)までの1時間はかなり厳しいものであったが、ここから大ヨケの頭までは比較的緩やかな山路であった。更に嬉しかったのは期待していなかった(?)アカヤシオの群生が満開だった事である。東国三つ葉ツツジとの共演は実に美しい。私の印象ではアカヤシオの花は薫風に舞う蝶の様で、そのピンク色には気品が漂っている。一方の東国三つ葉ツツジは折り鶴の様な形で色は鮮やかな紫色。どちらかと言えばアカヤシオと比べた場合、格下に見られがちであるが私は遜色が無い様に思っている。おそらく東国三つ葉ツツジはどこにも有るので、その希少価値の差なのであろう。
 大ヨケの頭から急坂を下ってから蕨山に向かうのであるが、その前衛峰として藤棚山が大きく立ちはだかっていた。正味30分程の行程なのだが厳しい登りと感じられたのは、そろそろ足に乳酸が溜まってきた証拠なのであろう。それでもパーティ登山の長所である「我慢せざるを得ない」事を実践しなければならない訳で「バテ」や「脱落」する事を極力避けようとする思いは大事であり美学だと思う。
 藤棚山を越えて緩やかに下ると、いよいよ蕨山への急登である。蕨山は鬼の様な形相にも見えたがここまで来ると気力の方が勝り、難無く展望台だという山頂に着いた。ここで登頂認定も出来る様であるが最高地点がこの先5分程行ったところに有るというので行ってみようという事になった。展望台には多くの登山者が居たが、こちらの方は先客が1組居ただけで静かだったので昼食にしようという事になった。
 食事が終ろうとした時、Kリーダーが「本当に本当の最高地点は更に200m進んだところに有る」と言うので、こだわりの権化の様な集団は「行って見よう」という事になって全員で出発した。 歩いて1分程のところにこの最高地点は有った。静かな雰囲気が漂うピークで私は京都の比叡山の最高地点に似ていると思った。
 蕨山から藤棚山に戻り、ここから無名尾根を下った。路といえばそれらしき踏み跡は有るが、それは獣道か作業道程度で急坂は奈落の底へ下って行く様な思いがする。それでもただ下るだけではなく途中で大遠見山と西平山へは登り返す事になるので、これはかなり厳しいものになったが仲間は平然としたそぶりで歩いている。「他人の荷物は軽く見える」と言われるが当にその様に見えた。西平山で最後の休憩を取りここからは一気に小殿バス停を目指して急坂を下った。ところどころに林道が延びて来ていて以前とは少し違った印象も有ったが、やはりバリエーションルートを無事に下りきり小殿バス停に着いた時は達成感が湧いてきた事は言うまでもない。運良く待つ事5分程でバスが来たので全員がこれに乗り、バス隊と車隊はさわらびの湯で別れて今回の山行は終了したのである。
 厳しい山行を無事に歩けた事を同行の山仲間に感謝申し上げる次第である。本当に有難うございました。

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