北海道・大雪山系周遊など

2022年07月05日(火)〜14日(木) 参加者:4名


7月5日、6日

 大洗発苫小牧行きカーフェリーの深夜便は6日の午前1時45分に出発する。
 今回の北海道山行は延べ10日間に及ぶためキャンプ道具等、荷物は多いのだがKリーダーが我が家まで迎えに来てくれた事は嬉しかった。同時に御礼を申し上げたい。
 そして途中でO女史宅に寄り、ここでT女史も合流して一行4人は大洗港に着いた。カーフェリーは巨大である。この船で約18時間の船旅となるのだが、何もしないで長時間のんびりと過ごせるのは、今の時代において貴重な事の様にも思える。
 ゆっくりと走る船の中で不思議だなあと思った事が二つ有る。それは船の自重も含めて車両や乗客等、総重量はかなり大きいがその物体が海上に浮いている事である。識者は簡単に「それはアルキメデスの原理だよ。」と言うであろう。水中の物体は重力と浮力と、どちらが大きいのかによって沈んだり浮いたりするという理屈だろうが、カーフェリーの場合、浮力の方が大きいとはとても思えないのである。
 次に不思議だと思ったのは海水の量である。「水の惑星」と言われている地球であるが今見ている海(の水)は世界中の至るところまで繋がっているという事実である。どのくらいの水(量)なのであろうか。自分が知っている範囲では地球表面積の七割が海であり地球の全水量の内、97、5%は海水だという事である。よって淡水はたったの2,5%である。しかもこの淡水のうち約70%が南極と北極の氷雪だというし、その残りの大半が深層地下水だというから、人類が使用している水は、ほんのお猪口1杯位だという事になる。何と気の遠くなるような事実である。
 これら二つの不思議な疑問の中、悠々と進む巨大客船は6日の夕方無事に苫小牧港に着岸した。そして車で1時間程走って本日の宿がある支笏湖湖畔に着いたのは21時であった。

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2022.7/7(木)苔の回廊~風不死岳

駐車地5:27~5:37紋別橋(楓沢入渓)~5:53苔の回廊①~6:23苔の回廊②~7:08苔の回廊③19:30~8:08 P628付近ザレ地尾根~8:38登山道~9:34 P963直下~10:35風不死岳11:10~北尾根下降~12:57登山口ゲート~13:02道路~13:16駐車地~おまけ(三段滝見学)

 支笏湖畔の宿で爽やかな目覚め。北海道山旅初日の今日は、昔乙女二人が一番の楽しみにしている苔の回廊を巡る日だ。宿泊地より5分もかからずに駐車地(北尾根登山口手前)に到着。迷うこともなく楓沢に入渓し、いくつかの倒木を越え苔の回廊に突入。苔の回廊は、樽前山の噴火により流れ出た溶岩が固まり、長い年月をかけて沢水などにより浸食されできた回廊に苔が自生したもの。苔の種類はなんと80種類以上といわれてるそうな。。ちょっと色が抜けたようなふさふさの苔もあったが、黄緑~濃い緑の苔が、光と影の演出もあり様々なアート空間を魅せてくれるのでありました。苔の回廊は何度も蛇行しながら、第1~第3までと神秘な世界を繰り広げてくれ、時にはアクロバティックな動作も求められますが、ジジババ探検隊はそれさえも楽しみながら。。です。(*^-^*)
 第3の回廊を抜け、ザレ地斜面に取り付くと樽前山が見え、咲き始めたばかりのタルマエソウやイワギキョウもポツンポツンと現れ、慰められながら登山道に出る。風不死岳までは、樹林帯~ロープ付の岩場などもクリアしながら、気持ちの良いダケカンバの林などで何度も休憩を交えながらアップダウンして行く。展望が明けると先の方の頂に登山者数人が小さく見えた。もう少しだと汗を拭いながら、低灌木帯を分け入るように進んで行くとひょっこり風不死岳の山頂に出た。ヤッター!樽前山の溶岩ドームもバッチリだし、何てったって支笏湖のブルーが美しい!雲が流れて恵庭山も湖に逆さになって映ってる。涼風に吹かれながらランチを摂っていると気持ちよくって眠くなってしまった。
 下山は北尾根コース。8合目までは、岩場交じりの急下降などが続いて、ここは登って来たくないと思った。若い人たちに道を譲りながら、イエ、何度か抜かれながら、(^^;) 今が盛りのツルアジサイなど目で楽しみながら、北海道初日の山をしっかりと踏みしめ五感をフル活動させ下って来たのでありました。
 風不死岳(ふっぷしだけ)のその由来はアイヌ語で、「トドマツのあるところ」を意味するアイヌ語「フプシ」が語源となっているそうな。。。
 帰路は、今宵の宿に向かう途中で三段滝(芦別市)に寄り道! 山で大汗をかいたので何よりもの清涼剤となった。

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7/8(金) 旭岳

早朝散歩約30分(白ひげの滝~青い池)7:05~8:14旭岳ロープウェー(約10分)~姿見駅8:34~8:57姿見の池~10:31 9合目~10:50旭岳11:35~13:07姿見の池~13:39姿見駅13:45~14:00ロープウェー駐車場

 十勝岳が眼前に迫る宿から、今日は旭岳へ。予定では夕張岳だったが、昨日の風不死岳が思ってたより体に堪えていたので、長い山旅での体力温存を考慮し少し楽な登山へと変更!また、北海道の山が初めてのTに、100名山の旭岳位登らせてやりたいとの仲間からの配慮もあった。嬉しい、感謝だ!
 時間があるので、宿から程近い白ひげの滝~ロマンチックな青い池を早朝散歩してからの出発となった。早朝でも人が結構いてビックリ!サスガ!観光スポットだ。

 約1時間ほどで旭岳ロープウェー山麓駅に到着。学校登山と被ってしまったようで元気な小学生たちがたくさんいて賑やかだ。
 10分ほど乗車すると姿見駅に到着。木道を進んで行くとすぐにチングルマにエゾツガザクラのお花畑だ。エゾコザクラやエゾイソツツジ、アオノツガザクラなども少ないが咲いている。忙しく流れる雲が切れれば旭岳の全容が。。このまま青空が続いてくれることを願いながら、姿見の池へ。まだ残雪消えぬ池は青と白のコントラストが美しい!また、バックには活火山らしく地獄谷の噴煙が何本も上がっており、山も生きているんだと感慨もひとしおだ。石室の周りにはメアカンキンバイも夏を謳歌していた。
 たっぷりと休憩を取ったら、いよいよ小岩混じりの赤茶けたガレの登山道をただひたすら黙々と登って行く。時々後ろから小学生たちの声が聞こえてくる。〇合目の標柱が現れるが、字が薄い。地図には、金庫岩にニセ金庫岩などと記載もあるが、表示が無いので、この岩かなぁなどと観察しながら歩を進めて行く。間もなくに広々とした山頂となるが、頭上は青空でも雲海状態で展望が殆どない。北鎮岳方面の雲が一時取れ、少し下ってみると斜面は一面キバナシャクナゲやイワウメなどの大群生!花の色が白いので目立たないが、青空のもとでは白さが映える。休憩を取りながら、もう少し雲が取れないかと願ったが駄目だった。
 往路をだいぶ下った頃に、チョッピリ山麓方面の湿原やらその上の残雪の山などが見えるようになった。帰りも姿見の池で休憩を取ったが、ここは、神々の遊ぶ庭の一部でもあるのだが、とぼけ面の抜け目ない烏が一匹、人間様のおやつを狙っている要注意の場所でもあるようだ。(*^-^*)
 姿見駅に戻り、ロープウェーに乗って無事下山となる。大雪山の盟主、北海道の最高峰「旭岳」、熱いエネルギーを感じるカッコイイ山でありました。

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7月9日 黒岳

行程: 大雪山黒岳ロープウェイ駐車場8:00---五合目クロダケ駅8:10---黒岳頂上 10:00—10:30-------黒岳ペアーリフト 12:00-----大雪山黒岳ロープウェイ駐車場12:30

日程の都合と天気予報を睨み、今日は黒岳に登ることとなった。いわずと知れた北海道の観光登山のメッカである。土曜日とあって乗客は多く、登る人も多様である。2時間程の急登を花をみながら時には喘ぎながら斜面を飛び出る感じで頂上にでるといきなりの展望が開ける。
頂上には多くの登山者が記念写真と花の鑑賞会を開いていた。天候が怪しくなってきたため、来た道を戻った。下山後は北海道大分水点「三国山」の登山口探索と大雪高原温泉で汗をなし、層雲峡の滝見鑑賞し、層雲峡オートキャンプ場に入った。

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7/10(月)

 ニセイカウシュッペは残念ながら雨予報、自在な予定は雨を避けて西へ走る。メンバー全員訪れたことの無い積丹半島へ。
 途中では積丹岳の登山口を確認と、かなりゆとりの行動。積丹半島突崎の神威岬を散策、積丹ブルーを眺めに灯台の先まで狭い通路を登り降り、生憎日曜と重なり観光客の多いこと。
 ハードな5000歩散策後は早々に海鮮丼で早めのランチ。次は余市のニッカ工場を目指すも完全予約制で諦める。癒しは仁木のさくらんぼ、美味でした!
 満腹の後は国道5号を走らせニセコ山塊、神仙沼と長沼9000歩の散策。トキソウ ヒオウギアヤメ コウホネ ワタスゲ イワショウブ カンゾウetc。五色温泉別館に宿を取り温泉に浸る。

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7月11日

 ニセコアンヌプリの懐に湧く山峡の一軒宿である五色温泉を5時に出発し、30分程で目国内(メクンナイ)岳登山口に着いた。登山口には駐車場とトイレが有るが登山者は稀のようである。ここから歩き出して40分、前衛峰の前目国内岳に着く。ここまで来ると本峰が雄大な姿を表す。ここから100m程下った最低鞍部から登り返す事になるが、それなりに厳しい登りである。特に頂上直下の岩稜はパズルを解くようにルートファンティングしながら登る事になる。
 辿り着いた山頂は360度の展望が実に素晴らしい。しかも貸し切り状態で他に登山者が居ないのが嬉しい。この壮快な気分を充分に感じながらも、このまま戻らないのが電脳登山部の特技であろうか。山頂の反対側を300m程下って、雲上の高層湿原を目指す事になった。花の庭園と言っても帰路は300m登り返すのだから、それなりの労苦が発生する訳だが全員の足取りは「何のその」で躊躇なく下ったのである。
 行き着いた湿原はニッコウキスゲを中心に高山植物が咲き乱れていて、当に楽園であったが余りにも静かなところで熊が水を飲みに来るのではないかという不安も有った。それでも充分に写真撮影も含めて時間を取った。
 登山口までは同じ路を引き返す事になるが、それは前目国内岳も含めて4座登るという事で、低山の割にはハードな山という事になる。
 幸いの事に熊と出会う事も無く12時35分に登山口まで戻った。宿泊者の入浴料は半額という五色温泉で汗を流してから、白老町まで走り夕食を済ませてから支笏湖湖畔の宿に着いたのは夕方の6時半。今日も長距離を走ってくれたKリーダーに感謝する次第である。

Script by Oza.

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7/12(火) <観光>襟裳岬、他

 生憎の天候で予定の山は没。ちょっと遠いが襟裳岬まで行ってみようということになった。出発時は時々雨に降られるも直に止む。高速を降り~車窓からの景色なども楽しみながら海浜公園道の駅みついしに寄り道。沿道では、ハマナスの花が綺麗に咲いていた。そこから1時間ちょっとドライブで、襟裳岬の駐車場に着いた。
 雨は降ってないが、曇りだ。「襟裳岬」、森進一や吉田拓郎が歌ってるのを聞いた世代なので、馴染みは大いに有り。一体どんな感じの岬なのかと。。。
 遊歩道を進んで行くが段々とガスってきてしまい、展望が効かない。が、あらあら、お花がいっぱいだ。ハマエンドウにエゾカワラナデシコ、オオハナウド、エゾルリトラノオ、それにクローバーやアカツメクサまで入り乱れ咲いている。襟裳岬と書いた幾つもの観光用の表示板で、一応証拠写真は撮るが、バックの海はガスったままで一向に見える気配がない。階段を降り、岬の突端まで行くとやや海岸線だけが見えるようになった。相変わらずエゾカワラナデシコのミニ群生が目を引く。エゾフウロも何気に咲いていた。
 家に帰ってから調べてみたら、風の強い襟裳岬周辺では海岸線(低い標高)にも関わらず多くの高山植物が花を咲かせるのだとか。。襟裳地域全体では、1100種の植物が確認されているとの事。驚きだ! 海岸線を見ながら、打ち寄せられたゴミにもつい目が行った。どこもかしこも美しい自然の環境を守る取り組みが必要なんですね。
 帰路、ルランベツ覆道の褶曲などとよくわからない単語の岩場を見学!地殻変動の凄い場所で、超学術的なスポットらしい。大岩の後ろに廻ったら、地元の人が昆布干しをしていて、大岩にはエゾカワラナデシコが潮風に揺れていた。次に、明日登るアポイ岳のビジターセンターなどにも寄り道しながら、今宵の宿へと向かった。

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7月13日 アポイ岳

行程: アポイ岳ビジターセンター駐車場 5:50-----五合目 7:50 ----アポイ岳頂上 8:50-9:10 ----アポイ岳お花畑 9:30 ----五合目 10:50----アポイ岳ビジターセンター駐車場12:00

  天候回復は札幌周辺と日高だけということで、少々、距離はありましたが、アポイ岳をめざした。
5年程前に計画して登り残していた感があり、花の山としても有名である。海岸線の道路沿いから見える山容はひときわ目立つものがある。
 登攀日は丁度花の端境期でもあり、期待以上の開花はありませんでした。しかしながら800mの低山ながらほぼ正味の登る高度差であり、五合目からはなかなかの急登が控える山である。
 花の開花も五合目から見られ、飽きさせないものがありました。花の名前や種類は写真掲載に譲るとして、8合目付近のお花畑では、今の時期、シャクナゲの花が満開であったことは見事でありました。海岸線の景色は生憎のくもり模様だったため、ときたまの眺めではあるが、えりも岬の眺めを見せてくれた。今度はもう少し、時期を早めてきたいものである。晴れた日の太平洋は光る海となるでしょう。
 尚、アポイ岳ビジターセンターは非常によく完備されており、案内も素晴らしい。時間があればじっくり鑑賞してください。近くのアポイ山荘は日帰り入浴が500円で入ることができ、小高い丘にあるため、登って来たアポイ岳山頂を振り返ることが出来る。

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7/14(木)

 道内滞在も最終日。雨を逃れて西奔南走し、毎日愉しんできた、今日は朝から陽が差していたがアット言う間にガスが立ち込め、曇天ガスの中を樽前山へ。
 タルマエソウは満開、南斜面にも拘らずガスの発生が多いのでしょう、初日の楓沢の如く大小の石に張り付いた苔の緑がきれいだ。
 下山後は恵庭渓谷の白扇の滝・ラルマナイの滝・三段の滝を観光。恵庭市内で汗を流し、予定外の血管年齢測定。驚異的な血管年齢を測定したO氏、なんと実年齢の半分以下の34歳‼️良質な遺伝体質もさることながら、食生活管理のM夫人の手腕が凄過ぎる。
 千歳市の何故か?キリンビール工場で美味しいランチ。北海道を満喫して山行無事終了、フェリーに乗船し帰路に就く。

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