秩父/破風山稜(皆野アルプス)全山縦走

2023年1月6日(金) 参加者:8名

  • 2018年以来の「新年・破風山稜縦走」は良い天気に恵まれて快適な登山となりました。
  • 時折現れる展望スポットからの眺めも素晴らしく、道も明瞭でした。
  • ちょっと残念なこともありましたが、年のはじめに幸先の良い山行になりました。
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行程  小前入口バス停8:36ー林道分岐8:55ー破風山稜取り付き9:09〜14ー小前の頭9:45〜56ー天狗山10:19〜30ー展望台(昼食)10:44〜11:11ー破風山11:33〜47ー山靴の道分岐12:10ー前原山13:13〜27ー大渕登山口13:45ー皆野駅14:06

 皆野駅前から町営バスに乗り、降り立った所は小前(集落)入口である。周りは山ばかりで民家は全く無い、真に山峡の章。ここから今回の参加者8人の山旅が始まる。
 林道を緩やかに登って行くと道は二手に分れる。何となく左方向に行きたくなるが正しいルートは右方向で有り傾斜は下り道となって小前の集落に入って行く。猟犬が盛んに吠えていたのでマタギの方が多いのだろうか。この集落を過ぎたところで林道から右方向への小径に入るが、ここには何の目印も無い。この分岐も気づき難いところで真っ直ぐ行こうとするとリーダーが確実に修正の方向を指示した。路はほぼ水平ではあるが藪がうるさい。やがて左方向から落ちている尾根の下部に出るが、この尾根が皆野アルプスの入口である。
 ここからこの尾根を登る事になる。稜線までの斜面は急峻ではあるが藪はうるさくないのが嬉しい。皆野アルプスはここから最東端の前原山まで小さなピークを幾つも越えて行く事になるが、山路自体は変化に富んでいて結構面白い。それはヤセ尾根の岩稜だったり新緑や紅葉が、さぞかし美しいだろうと思える落葉樹林帯の中の路だったり、スリルの有る鎖場だったり、この変化が低山の割には魅力の有る山容なので全員の足取りも軽かった様に思う。ただ、落葉の積もった山路は降雪が有った場合はかなり歩き難いと思う。それは小ピークであっても下りはかなりの急傾斜が多かったからである。
 稜線に出てから小前の頭、小峰山、天狗山、大前山と順調に漫歩して武蔵展望台という見晴らしの良いピークで昼食となった。360度の視野の中、やはり人間(ひと)は高いところに立つ事は嬉しいのであろうか。軽口を叩き合いながら山座同定を楽しんでいる。眼下に見える秩父の夜景は嘸かし素晴らしいと思う。有名になった秩父市上空の雲海も発生したならば同様であろう。如金峰の奇岩を越えるとすぐに札立峠に立った。この峠は一年程前に秩父側から水潜寺まで歩いた時に越えた懐かしい峠である。静かな峠には必ず哀愁感が漂っているから不思議である。
 三等三角点の有る破風山で10分程休んだ。破風とは切妻屋根の端に取りつけた山形の板の事だという。ここから10分程下ったところに猿岩という奇岩が聳えているが今回は誰も登ろうとはしなかった。見た目よりは簡単に登れる岩であり前回は有志が登ったという記憶が有るがやはり年を取った(?)証拠なのかも知れない。破風山からは流れとしては下路であるが前原尾根に入ると、登っては下るとこれを何回も繰り返すので、かなり足に効いてくる。この状態が前原山まで続くので、ある意味では全コース中で最大の難所と言えるところであろう。前原山からが最後の下りで落ち葉が大量に積もったジグザグ路は下に隠れている石車や木の根に注意しながら慎重に降りなければならない。小路を埋め尽くす大量の落ち葉、歩く事に多少の迷惑が有るとしても過去何億年に渡って繰り返されて来た自然現象は地球丸に対して何の害も与えていないのだから、「彼らは偉い」と思っていたのは果して自分だけだろうか。
 こうして8人全員が皆野駅に無事に着いた。快晴無風好天の山旅は楽しい。駅で列車隊(4人)と車隊(4人)との別れで令和5年度第一回目の山行は無事終了したのである。
 次の山行がすぐに実行される事を願って「しばし別れの皆野の駅よ、言わず語らずに心と心。またの逢う日を目と目で誓い涙見せずに、さようへ。」  

Script by Oz.N. and Photo by Ki.

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