忘年山行・日本水源泉探訪と般若山

2023年12月15〜16日(土) 参加者:3名

15日 行程
 釜伏峠(9時35分)ー釜山神社(9時40分)ー奥の院(9時55分ー日本水分岐(10時05分)ー(10時10分)ー四阿屋の有る車道(10時25分)ー釜伏峠駐車場(10時55分)

 みかん栽培では日本で最北の地と言われている風布の集落を過ぎて山道を暫く走ると釜伏峠に着く。ここの駐車場に車を停めて参道を5分程歩くと釜山神社の境内に入る。出迎えてくれる何組かの狛犬は愛嬌が有る顔をしているので思わず微笑んでしまう。神社は何故か釜伏では無く釜山神社と言う。ひっそりとしていて燈明が焚かれていたが宮司の居る気配は無かった。神社横から山路が始まり、すぐに最初のピークに着くがここは三叉路になっているので右へ進む路が奥の院が有る釜伏山山頂に続いている。山頂は初冬の感が漂う静寂さの中にも格調高い気品に満ちていた。山頂からは急峻な岩稜帯を慎重に下る。降り切ったところが日本百名水の一つに数えられている日本水の源泉への入口であった。現在は崩落の危険が有るため通行禁止になっているが自己責任という事で行ってみようという事になった。日本水は巨大な垂直の岩壁の下部から湧き出ていた。以前に比べて湧出量は小さくなったと思えたが、これが逆に霊験あらたかな感がしたのだから不思議である。本来の日本水はこの様に少ない湧水であり現在取水場になっているところの水は別の沢のものなのである。釜伏山は日本水の源泉地を訪れる事によって本当に登頂したと言えるのではないだろうか。やはり小さな名峰だと思う。  本日泊る宿は、かつては秩父七湯と言われた湯宿の一つである「不動の湯」である。七つ有った湯宿も現在はそのうちのニ湯が営業を中断している事が寂しい。「不動の湯」、秩父市高篠、硫化水素泉、浴用加熱、肌さわりのよいつるつるした湯で切り傷、打ち身、神経痛等に効くアルカリ性の湯だという事である。ここに初めて訪れたのは昭和45年11月2日~3日なので、すでに50数年の歳月が流れた事になり無論当時の宿の様子は覚えていないが親切に対応してもらった記憶ははっきりとしていて、たまらなく懐かしい。宿舎は決して新しくないが沸かし湯にも関わらず24時間いつでも入浴出来るという宿の気配りは経営者の姿勢を如実に表しているものであり、貴重な宿の一つに加えたいと思い嬉しかった。50数年前の案内書には「昔から霊湯として村人に知られていた。巡礼宿として利用された事もあるが本当に宿泊設備が完備したのは戦後の事である。(中略)ハイカー向けに積極的な経営をしてきた事が良かった。」とある。高篠山から流れる不動沢の谷沿いにある「不動の湯」また訪れてみたい。

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216日 行程
 秩父札所32番法性寺(9時00分)-般若山(9時50分)-駐車場(11時05分)

 法性寺の奥の院の更に奥にある山が般若山(478m)である。釜の沢五峰を訪れる登山者のほとんどは法性寺山門から歩き出して奥の院を目指すが、その先に有る鉄塔手前から左折して沢に向って下って行く。般若山はこの鉄塔から僅かな踏み跡をたよりに登って行く事になるが鉄塔周辺のカヤト原を抜ければ路は案外はっきりとしていて、ひと登りで般若山山頂に辿り着く。誰も居ない寂峰でそれなりに達成感が湧いてくる。ここから少し尾根上を進んで初めに現れる尾根を左に下れば正規のルートに合流するので路迷いをする事は無い。正規のるーとからは更に谷を越えて二つ目の尾根に上がれば釜の沢五峰の登山口である長若山荘は近い。この尾根からは左手方向に亀岩の雄姿が見える。この亀は真に巨大な亀で写実的という観点から言えばその大きさも含めて日本一の自然岩だと思う。燕岳のイルカ岩も有名だがこの亀岩は大きさにおいてもイルカ岩を遥かに凌ぐものである。次に訪れる時にはこの岩を登るという事になったので楽しみである。ただしロッククライミングの要素が大きいとの事である。  今回の忘年山行はたった3人だけの寂しいものであった。ツアー登山が主流となった現在の登山は、ある意味では仲間意識が薄れたとも言えるようで昔の山屋のように目的意識を同じにした集団では無い様で小屋や宿を貸し切りにしてのドンチャン騒ぎはもう皆無なのであろう。それでもオッさん(爺さんか?)3人の道中はそれなりに楽しいものであった。

Script by O. and Photo by K.

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