2026年4月25日〜26日(日) 参加者:6名 天候: 晴れ
行程
- 北信濃の低山に春を見つけに行きました。
- 髻山では近代日本の礎になった地形図に関する遺物を確認。
- 斑尾山・斑尾高原では「春の妖精」と「春の女神」に出会いました。
- 斑尾高原沼の平はプチ尾瀬の雰囲気でした。
25日
熊谷駅7:10=髻山登山口10:19ー髻山11:20〜57ー(林道経由)ー登山口駐車場12:52=丹霞郷13:06〜14:05=小布施穴観音の湯14:34〜15:36=(買い出し)=泊地16:55
今回は当初の予定を天候不順で変更して、久しぶりの週末山行となりました。初日の今日は、春の花はもちろんですが、多くの登山愛好家が気にしている「三角点」の中の、特別な場所を訪ねることを目的にしました。
いつもの熊谷駅集合で、全く順調に車は髻(もとどり)山の登山口駐車場に着きました。長野盆地、地元では「善光寺平」と呼ぶ平地の北側を守る山です。歩き出すとすぐに里山らしい花々が出現します。そしてのんびり登っていくと本コースの名所の一つ、観音清水に着きます。なんでも上杉謙信が水量の足りない井戸に、自身の守り本尊である黄金の千手観音を投げ入れたところ、こんこんと清水が湧き出したという伝説が伝えられているそうです。確かに使い物になる程度の水量は出ていました。ちょっと飲んでみましたが、可もなく不可もなくというところでした。
ほどなく頂上に到着です。城跡らしい平らな頂上で、そこには一等三角点と天測点が設置してありました。標高744メートル、長野市街地でも標高は350メートルほどありますから、わずか400メートルの出っ張りに一等点があるのは何となく違和感があります。が、この三角点は北関東から信越方面の三角点網の起点となる「須坂基線」の第二増大点の一つなのです。この「基線」は全国に15ヶ所設定されており、須坂基線は須坂市中心部の北方でほぼ東西に並ぶ二点を結んだ線になっています。この線を底辺として両端の点から南北方向に次の点、一次増大点である「井上山」と「雁田山」を三角測量して、続いて井上山と雁田山を結ぶ線を底辺とした三角形の頂点を測量する際に、西方の第二増大点をここ髻山にしたのです。ちなみに東側は根子岳の西側にある小根子岳に置かれました。ついでに言えば、第三増大点は志賀高原の岩菅山と聖高原の聖山となっており、ここまでは公式に確認されているそうです。じゃあ第四はということになりますが、北は妙高山でしょうが、南ははっきりしません。公式見解もないようです。以上須坂基線から始まって第三増大点までの8箇所の三角点はすべて一等点になっています。
そして頂上にあるもう一つの八角柱の石塔、「天測点」は?と言えば、これは全国に48ヶ所あった(うち現存するのは45ヶ所、関東地方には奥武蔵の堂平山にあるそうです)もので、この石の上面に観測機材を置き、星の位置と時刻から、ここの正しい緯度経度を決定するために使われていたものだそうです。地球上の正しい位置がわからなければ、例えば地殻変動があって日本列島がずれていても気づけません。ずれた地面の上でいくら正しい測量をしても(正確な三角点網を構成しても)、信頼できるものになるとは思えません。ということで、この髻山は私達が日頃世話になっている、地形図の信頼性を担保する仕組みが現存している頂上なのですね。地図フェチにとってはいわば聖地でしょうか?
頂上の東側は開けており、志賀高原など上信国境の山々がよく見えました。ここでしばらく寛いでから、林道を駐車場へと下山します。次はかつて昭和初期に、岡田三郎助という大画伯が桃の花が咲き乱れる景色を見て、「まるで赤い(丹い)霞がたなびいているようだ」として名付けられた「丹霞郷(たんかきょう)」に寄り道。既に花は終盤、しかもおそらく過疎化による人手不足などで、栽培面積も縮小ぎみなのか、かつての光景ではありませんでしたが、しばし背景の北信五岳とともに眺めいりました。
あとはいつもの小布施穴観音温泉に浸かり、夕食等の買い出しの後、宿泊地に向かいました。
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26日
泊地6:55=タングラムスキーサーカス駐車場7:15ー野尻湖テラス8:35〜45ー頂上分岐8:57ー大明神岳9:36〜58ー斑尾山10:05ー頂上分岐10:28ー万坂峠11:16ー駐車場11:33〜39=斑尾高原山の家駐車場11:52ーシラネアオイの小径散策12:03〜37=沼の原散策12:50〜13:26=森宮野原駅14:21〜31=道の駅「信越さかえ」14:33〜45=熊谷駅17:41(解散)
今日も素晴らしい晴天です。まず斑尾山の北面にある、タングラムスキーサーカスというスキー場から登ります。既に周りの山々がはっきりくっきり眺められて、標高を上げればどんな絶景にであえるか、期待が膨らみます。
スキーコースを登っていくと、周囲の樹木が相対的に低くなっていくので、北信五岳が徐々に高くなってきました。そして、それらの間、あるいは周囲に連なる残雪の稜線が美しく眺められて、しばしば足を止めて見入ることになりました。試運転中の夏山リフトを横目で見ながら、ゆっくりと登っていきます。
やがてリフトの終点、野尻湖展望テラスに着きました。係員の方々が、観光客受け入れの準備をしています。ここで少し休憩。ここから望める野尻湖は、かつて明治の時代に訪れていた外国人が、ここの雪山と湖の風景が故郷の景色に似ていると、別荘を構えてバカンスに訪れていたということで、日本三大外国人避暑地の一つに数えられています。そういえば私が初めてこの辺りを訪れた昭和の終わり頃でも、野尻湖の湖畔にはバカンスシーズンになると「日本人立入禁止」の区域があって、無知だった私は「なんじゃコレ!!」と思った記憶があります。湖のある信濃町もだんだん寂れてきていますが、そんな観光資源があるのですから、なんとか立ち直ってもらいたいと願うばかりです。
ここからは一投足で頂上稜線にたどり着きます。そしてわずかな上り下りで、斑尾山頂上へ。でもここは展望が貧弱なので、少し先の大明神岳まで足を伸ばします。大明神岳は西から南への展望が開けて、ここで大休止です。戸隠西岳と飯縄山の間に北アルプスが薄っすら見えています(鹿島槍ヶ岳から南側の稜線が見えていると直感しましたが、帰ってカシミール3Dで確認したら、ビンゴでした)。そして近くに目を向ければ、なんと羽化したてと思しき美しいギフチョウが飛び回っており感激しました。今回の山旅では幸運なことに、春の妖精と春の女神の両方に出逢うことができました。
大展望をつまみにゆっくり休んで、下山の途に就きます。頂稜からの最初の下りがかなり急でビビりますが、ここさえうまく降りればあとは緩やかな広い尾根の下山路になります。ここ斑尾山は頂上標識の通り、「信越トレイル」の1丁目1番地なのでこの先トレイル上の万坂峠まで、忠実にたどるメンバーもいました。残りのメンバーは駐車場まで下って車に乗り込み、万坂峠で「信越トレイルの山行計画を出してくれるのかなぁ」という期待を抱かせるメンバーを拾って、斑尾高原山の家までひと走りしました。
山の家の職員さんに伺うと、近くの「シラネアオイの小径」で開花しているとのお話なので、予定通りに散策することにしました。少し道路を歩いて遊歩道に入ると雪割草やキクザキイチゲとともにシラネアオイが現れました。おそらく植栽であろうと思われますが、目を楽しませてくれました。数年経てば、名所になるかな・・・?
適当なところで、切り上げて戻り、車で数分の沼の原まで。ここでもミニ尾瀬という雰囲気の湿原を、ミズバショウやリュウキンカなど見ながら散歩。ここのミズバショウはやたら小さくてかわいい。尾瀬のミズバショウと違う種類なのかと思うほど。
そんなダラダラ歩きをしていましたが、気がつくと本日の歩数はおよそ2万歩!帰ることにしました。今回は関越道回りで熊谷に戻ります。途中JR飯山線森宮野原駅に立ち寄って、「日本最高積雪地点」の標柱を見学。そして係以外誰も寄ったことのない、長野県の秘境栄村の道の駅に寄り道して(あるメンバーは山菜をガッツリ、買い占めてきました)、以降は順調に熊谷駅に帰還しました。
Script and Photo by Ow.R.and Photo by Ow.Y.(Y.)
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